お仕事を辞めたときに利用する失業給付。これは、決められた期間雇用保険に加入していた人が受けられる手当てです。
退職したあと、ハローワークに行って求職活動をする。決められた日にハローワークに通えば失業手当がもらえる。
このことはみなさんご存じだと思います。
では、一番最初に振り込まれる手当の額についてはご存じでしょうか?だいたいどれくらいの金額だと思いますか?
わたしはこれを勘違いして痛い目にあいました…
あなたもこんなふうに思っていませんか?
はい、これ、まちがいです。私はこれを勘違いして失敗しました!
わたしの場合、全部で90日分の手当てがもらえることになっていたので、てっきり30日分ずつ3か月間支給されると思っていたのです。
最初の振り込みのときに、いままでのお給料よりもちょっと少ない額がもらえるんだろうと勝手に解釈していたのです。
けれど、振り込まれた金額は予想より大幅に少なくて…
前回までの話
テレビドラマ化された『凪のお暇』のなかでも、主人公が仕事を辞めハローワークに通う場面が描かれています。ここで主人公は、申し込みからはじめての手当てが出るまでに3か月以上かかってしまうことを知り、慌てふためいています。
こんなかんじで、ハローワークに通うようになると「最初から知っておきたかった…」と思うことが山のようにでてきます。
お金のこと、日程のこと、職業訓練のこと…。
とてもややこしい上に、誰も教えてくれない。
残念ながら、ハローワークで先回りして個々の事情に合った細かい説明をしてくれることはありません。
知りたいことをネットで検索しても、失業手当についてのブログはたくさんあるのですが、専門用語が多くてわかりづらいのが正直なトコロ。
でも、わからなくて当たり前ですよね。はじめてハローワークを利用する人が、難しい専門用語だらけの説明なんて理解できるはずないからね!ぷんぷん
誰も説明してくれない。調べようと思ってもうまくいかない。これでは、必要な手当てを受けられず損をしてしまうかもしれません。
って、それでは困るんですよ!
これは、わかりづらい制度に問題があると思うんですよ。
でも、そのせいで損はしたくないじゃないですか。だから、最低限必要な知識は頭に入れておいた方がいいと思うんです。
わたしのような失敗はしてほしくない。不安を減らして、少しでも安心して次のステップに進んでほしい。そんな思いでこの記事を書いています。
ハローワークに行く前に、これだけは知っておいてほしい!ということについて書いていきます。頭に入れておくと、こんなはずじゃなかったー!!という事態を予防できると思います。
※よびかた
失業保険、失業給付、失業手当…いろいろな言い回しがあるみたいで正しい呼び方がわからないのですが、岡山労働局「雇用保険の失業給付受給資格者のしおり」にはこう書いてあります。
求職者給付のうち、失業の状態にある日について支給する手当を「基本手当」といいます。
こちらを参考にして、ここからは支払われるお金のことを「基本手当」と呼びます。
衝撃。「ハローワークに初めて行く日」ですべては決まる。
これからハローワークに行く人は、このあと数か月間ハローワークに通って、求職活動をしたり手続きをしたりしていくことになります。
ここでのポイントは、いつハローワークに行くか、です。
なぜなら、ハローワークに初めて行く日がいつなのかによって、その後の運命はすべて決まるといっても過言ではないからです。
どういうことかというと、ハローワークに初めて行く日に「求職申込」という手続きをします。これをした時点で、あなたの求職活動のスケジュールはほぼすべて決まってしまうのです。
なぜ決まってしまうのかというと、「求職申込日」から基本手当をもらい終わるその日までのスケジュールは、初めてハローワークに行った日をもとにして法律通りにあてはめるからです。
なるべく早く手続きをして手当をもらいたい!そう思う気持ちはすごくわかります。でも、焦って手続きをすることで、かえってチャンスを逃してしまうということもあるんです!
(インターネットで検索をすると「離職票をもらったらすぐにハローワークにいきましょう」などと書いてあることもありますが、とんでもない!!!)
この「求職申込」をしたときに決まってしまうことは、具体的にはつぎの3つです。
初回の受給額が決まってしまう
前回の記事でも書いた通り、退職から約4か月後にはじめてもらった基本手当。その額を見て私はほんとうに膝から崩れ落ちるくらいのショックを受けました。
みなさんの場合も、銀行に振り込まれる初回の手当ては満額ではありませんので注意してください。
場合によっては私のようにたった5日分など、ありえないほど少ない場合もあります。
この「初回に何日分の手当てをもらえるか」は、はじめてハローワークに行った日がいつであるかによって決められます。これを正確に自分で計算することは難しいです。(認定日の決め方や連休の有無によって変わってくるので一概には言えません。)
ということはつまり、ハローワークに行く前に確認をとったほうがいいということ!
さきほども言ったように、早くもらいたいという気持ちはわかります。けれどわたしの場合で言うと、あと5日ほど遅く申し込みをしていれば、28日分(1回にもらえる最高額)に近い額ををもらえていたかもしれないのです。
1日も早く手続きをして少額でも先にもらいたいか、少し遅れてでも限度額いっぱいくらいをもらいたいかはその人によると思うんです。でも知らずに申し込めば、こんな選択もできません。
これからハローワークに行かれる方はぜひ事前に「初回の基本手当は何日分になりますか?」と問い合わせてみてください。
職業訓練を受けられるかが決まる
職業訓練という制度があることはご存じだと思います。地域によってさまざまなジャンルの訓練があり、専門的な知識や技術を身につけ就職につなげるためのシステムです。
一定の条件を満たすと基本手当をもらいながら訓練に通うことができるため、とても魅力的な制度です。
ですがこの職業訓練を受講するための条件も、知らないと損をするどころか「受ける資格がない」と判断されることもあるのでご注意ください。
希望の訓練を受講するために!開始日と残日数をカクニン!!
基本手当をもらいながら職業訓練に通うためには条件があります。
その条件とは、「訓練の開始日に基本手当の日数がのこっている」ことです。
少し詳しく言うと、受けたい訓練の入学日に、あなたの基本手当が一定の日数分残っている必要があるということ。この、「一定の日数」については、その方の退職理由や勤務年数によりますので省略します。
これも、事前に教えてくれるようなシステムなんて存在しません。知らないままハローワークに通い始めてしまうと、受けたい職業訓練があるのに残日数が足りない…というざんねんな結果になりかねません。
職業訓練に行きたいなーと考えている方は、求職申込の前にお近くの職業訓練について調べてみることをおすすめします。ちなみに、お住まいの都道府県以外で開催される訓練にも通うことができますよ!
強制呼び出し日が決められてしまう
ハローワークにはじめて行って「求職申込」をした時点で、はい、決定!
ぜったいにハローワークに行かなくてはならない強制呼び出し日が設定されてしまいます。笑
具体的には、1週間後の待機満了日、雇用保険の説明会の日、数回の認定日、この3種類です。ほかにも求職活動のために何度か通いますので、けっこう頻繁に呼び出されます…。わたしのようなひきこもりの方ですと久々の外出=ハローワークということになりかねません。
この3種類のイベントの日程についてはよほどの事情がない限りは変えることができませんのでご注意ください。
まとめ:雇用保険を賢く利用してステップアップしよう!
いかがでしたか?以上、ハローワークに通う前に知っておいてほしいことでした。
ほかにも、再就職手当を賢くもらう方法や、職業訓練を受けるための裏技、基本手当をもらうためのスケジュールの確認方法など、いろいろなことを調べました。
わからないことが多すぎ、調べても難しくて理解できない、といった問題に多々ぶつかり改めて思ったこと、それは
本来なら、雇用保険は利用する人に等しくひらかれているべきだということ。国の制度なのに、裏技的に攻略しなければいけないなんて変だよっていうこと。自分で調べなければ損をしてしまうなんて嫌だ!ということでした。
はぁ。ほんとどうにかしてほしい。
はじめて利用する人にとってハードルの高い雇用保険。少しでもお役に立てていればいいなぁ。
それではこのへんでっ