耐震診断でとんでもないことがわかった【ボロ屋DIY日記②】

廃墟リノベ

知り合いに家をもらった。おもしろそうだしもらっとくか~くらいの軽い気持ちで。そしてとんでもないことになってしまった。


売買ではなく「贈与」なので、家自体はタダ。

そして、タダのものの登記の手続きに何十万円もかけるのはイヤなので、行政書士さんにお願いせずに自分たちで手続きをした。これで数万円の節約になったと思う。

かくして廃墟を手に入れた私たち。

リフォームも自分たちでしよう!と決意し、無職の2人は立ち上がった。

まずは建物の構造に問題がないか調べないとね~ということになり、倉敷市の耐震診断補助制度を利用することに。

前回の記事
廃墟に住もうよ♡ボロ屋をリノベーションして住もうとする話〈耐震診断編〉

耐震診断(現状診断)当日のながれ

料金の支払いから約10日後に、倉敷市から依頼を受けた建築会社より連絡がはいった。さっそく日程を調整し3日後に現地で待ち合わせることになった。

当日は30度越えの猛暑日。来てくれたのは、一級建築士のお二人。そのうちの一人が耐震診断士さんだった。

ふつうは家の中にお通しして話をするんだろうけど、ここは廃墟…

「こんなところですいません…」

謝りつつ玄関先で打ち合わせをすることになった。ちょっとだけ掃除しといてよかった…電気もたまたま通していてたまたま扇風機もあったので助かった…

「机がないんです…こんなんですいません…」

謝りつつ逆さまにしたコンテナボックスを差し出す。謝ってばっかりだ。

「市の耐震診断なので、チェック項目は細かく決まっているんです。」と言われ、いくつかの質問に答えていく。質問の内容は、住宅の築年数や名義、図面の有無などについてだ。詳細がわかる書類があれば持っていくほうがよい。

「古い家で図面がないので、図面をつくりながら診断していきます。だいたい1棟あたり1時間くらいです」とのこと。今回は離れを含めて2棟分なので、おおよそ2時間。廃墟のゴミ捨てなどの作業をしながら待つことにした。


時空がゆがんでるし「へいけの家」ってなんやねん。

わたしたちの所有する廃墟は2棟ある。母屋と離れが並んで建っていて、どちらも古い。

より古いのは母屋の方で、建物の全部事項証明書による登記の記録によれば、「大正8年●●(元所有者の祖父)家督相続」と書いてある。

えっと…今2019年ですよね。

大正9年はちょうど100年前だそうです!1919年!!

1919年といえば、ベルサイユ条約!!めっちゃ昔!!

登記は大正8年の記録が最初になっているけれど、これは建てた年なのか、建ててしばらくして登記したのか、登記のあと建て替えがあったのかなど、詳細は不明だ。推定築100年。

離れのほうは昭和42年築で間違いなさそう。築51年かな?

どちらも古い建物なので、現行の耐震基準を満たしていないという診断になるだろう。耐震診断で「倒壊のおそれあり」の診断になれば、補強工事のための計画にも補助がおりるので、お願いするつもりでいた。

耐震=建物の強度アップは、この廃墟DIYプロジェクトにとっては大きな一歩だ。これが終わればあとは屋根をふき替えたり床を張り替えたり。楽しい作業が待っていると思っていた。そうあのときまでは。

母屋の現状と問題点「建物が埋まっている」

診断員さんは、家の図面を取りながらすみずみまでチェックしていく。畳をはがして床下を見てくれるのと、天井裏も見てくれる。壁を叩いて材質なんかもチェックするので、床や壁まわりはなるべく物をどけて歩けるようにしておいたほうがいい。

母屋のほうの診断が終わったので声をかけてくれた。

「古いけれど建物の傾きは少ないです。漆喰も天井付近までしっかり塗られている。」とのこと。おっ、よかった。

「ただ、いちばん奥の増築部分は立地がよくないですね。」

母屋の水回り部分は増築して新たに作り替えられている。おそらく、もともとは土間だったところをリフォームしてあるのだろう。この部分の建っている地盤に問題があるという。

増築部分の隣の土地が、建物よりも高い位置にあるんです。そこにギリギリの面積で建て増ししているため、地面に建物が埋まっているような状態。」

えー!!

「このままだと、土台の柱が腐ってくると思います。建物の周りを掘って、排水できるようにするのがベストです。」

ショックです。でもまぁもともと、この増築部分は陰気臭いなぁと思っていたんです。水回りが暗くて狭くて安っぽい。話を聞いてますますぶち壊したくなりました。

ここまでは、ショックはあったものの想定内でした。そして次は離れのチェックです。

離れにて衝撃の事実が発覚する…

母屋と同じように、離れのほうもチェックしてもらいます。2棟目になるころには私たちものぞきに行くのをやめ、自分たちの作業に集中していました。そして1時間後。

作業が終わったようで、お2人がこちらに近づいてきた。

「暑い中ありがとうございました。」

次の瞬間衝撃のことばが。

「梁がね、折れてました。」

はい?

「梁がね、折れて屋根が下がってきてるんですよ。」

…!!!!!!

梁って、あれですよね。大黒柱の上にかかっていると噂されているアレですよね。けっこう大事なやつですよね?

それが… 折れて いる…?

診断士さんが天井裏を確認してみると、白アリの被害で梁がスッカスカになっていたそう。そして、瓦の重みに耐えられず、屋根が凹んできていると…

「母屋のほうは古いけれど地元の良い木材が使われている。そのぶん痛みは少なかったんですけれど、こちらは…残念です。

夫は振り返って言う。「残念ですって、医者やったら匙を投げたときの言葉やんな…ご臨終前的な。

うん、そうだね。

このあと、白アリの種類についてなど話してくださったが、あまりの衝撃にてよく覚えていない。

診断後の流れ

このあと、診断結果についての書類を診断士さんが作成して役所へ提出する。役所から診断結果の通知が届くのはその後らしい。

診断士さんにいろいろ聞きたいことはあったが、診断についての相談は結果の通知以降でしか受けられないらしい。梁が折れてるのん、どうすればいいのーっ!!などと聞いても、具体的には答えられないみたいだ。

目安として2週間後くらいとのことだったので、それまで待つことになった。

梁が折れている、でも、待つしかない。

この計画は一体どうなるんだろう。

その後

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